山口大学医学部附属病院B棟1F廊下に、自然の循環とリズムを感じさせる鈴木初音の10連作のレリーフ作品を設置しました。
2024年4月、山口大学医学部附属病院の再開発事業にともない、多くの病棟が複雑に結びつく構成のなかで、各棟を結びつけ、多くの人びとが行き交う長い廊下に、山口県の地形環境の特徴や、土地と深い関わりのある素材を用いたレリーフアートを展開しました。鈴木初音の作品《芽吹く》は、植物の育つ様子を10点の連作にすることによって、自然が循環し豊かな恵みをもたらすイメージを表現しています。人の導線に沿って進むにつれポジティブなエネルギーとリズムを感じられる空間づくりを行いました。
アーティスト | 鈴木初音 / SUZUKI Hatsune
レリーフ作品 | 《芽吹く》
2024
川砂, 石灰, 顔料, セメント, 木製パネル
設置箇所 | B棟1F 廊下
本作品は植物が育つ様子を季節の変化とともに描いた連作で人々の導線に沿って、大小合わせて10ピースから構成されている。山口県にはカルスト地形をつくる石灰岩の大地がひろがっており、宇部市でも石灰産業が盛んである。そこで本作では、川から採取した砂と、瀬戸内の牡蠣殻の石灰を練り合わせ、土地と深い関わりのある石灰モルタルを素材として使い制作した。生命力あふれる素材によって自然が循環し豊かな恵みをもたらしてくれるという一連の表現から、行き交う人々がポジティブなエネルギーとリズムを感じられる空間が創り出されている。
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撮影|谷 康弘