オフィスのリニューアルにともない、山崎由紀子さんの壁画が完成!
この春、ArtPlaceが展開するオフィスのアート空間をご紹介します。ITOKI TOKYO XORKオフィス改装リニューアルにともない、階段3フロア全壁面に山崎由紀子さんによる壁画作品《ビオトープ》が完成しました。
アーティスト | 山崎由紀子 / YAMASAKI Yukiko
壁画作品 | 《ビオトープ》/ Biotope
2022
水性塗料
Concept |
作品タイトル《ビオトープ》とは、ギリシャ語 βiοs BIOS 「人生」と τοποs トポス TOPOS 「位置」の合成による言葉です。
もともとは生物学の用語で、一定の種の組み合わせによる生物社会および生息空間を指します。
今回、《ビオトープ》をキーワードに、オフィスを「環境」として、そしてワーカーを「生物群集」に置換することで、ひとつの社会における生態系として捉えています。
オフィスという働く人々の空間もまた《ビオトープ》のように「それぞれの全く異なる種による習性や特性が、他の種の生きやすさにつながり、互いに連動することで安定する共生空間」であると言えます。
イトーキの企業理念やActivity Based Working(ABW)への取り組みを知り、会社全体が大切にしている「チームワーク」や「連帯感」、「他者からの学び」という考えから着想をえました。
山崎は普段、一見つながりがなく無関係に見えるモチーフたちを画面内で複雑に配置します。その狙いは、複雑に入り混じった状態であるカオス(混乱)とコスモス(秩序)の均衡によって、絵画空間を成立させることです。11F〜13Fにかけての3層吹き抜け階段の壁面には、「ビオトープ」に欠かせない環境要素である「水」「木」が描かれています。そして、それらをつなぐように「人の手」が記号化されて描かれています。ワーカーたちが階段を移動する動作にともない、壁画の色面や輪郭は変化していき、日々、新たな発見をもたらすでしょう。自然界の「ビオトープ」のように、気分をリフレッシュさせるオフィス環境をつくりだし、ワーカーたちに「共生」の大切さを伝えていきます。
作家情報 |
1988年京都府生まれ / 京都造形芸術大学卒業
主な展覧会 |
2021年 「崩壊する絵画」, OIL by美術手帖, 東京
2020年 「NEWEN」, BAF STUDIO TOKYO, 東京
2019年 「PAINT(ing)COMPLEX」, TOKYO CULTUART by BEAMS, 東京
2017年 「グラビア」, タンバリンギャラリー, 東京
主な受賞歴 |
2010年 「アートアワードトーキョー丸の内」, 長谷川祐子賞
2014年 「1_WALLグラフィック」, 柿木原政広賞, 菊池敦己賞
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