“食”をテーマにした大胆で色鮮やかなウォールアートが市民を出迎えます
Task プロジェクトの課題
京王線調布駅からほど近く、調布市民や近隣住民の文化活動やコミュニティ活動の拠点として重要な役割を果たしてきた調布市文化会館たづくり。重厚な建物内には図書館やホール、コミュニティFM放送局、レストランや展望台などが備わり、市民のためのソフトプログラムも充実している。本プロジェクトの目的は、その玄関口となる1階エレベーターホールに市民の誰しもが親しめるウォールアートを設置すること、そして1年間にわたるエレベーター工事に伴い、エレベータ前に設置された囲い壁を目立たなくすることであった。
Solution アートプレイスの提案
エレベーターホールは人が行き交い、往来する場所であり、エレベーターを待つ時間を過ごす場所でもある。この時間と空間を活かして、たづくりを訪れる人々に新しいアートとの出会いを提供することを目的に、新進気鋭の若手アーティストである町田帆実を起用した。
「食」をテーマとし、鮮やかな色彩による大胆な筆づかいで描かれた作品は、施設を利用する人々にエネルギーと爽快感を与えるものとなった。また1年間にわたるエレベーターの改修工事完了後、町田帆実の作品が工事壁を撤去した状態でも展示された。作品は壁一面に広がり、作家の調布での食の記憶が来訪者をふたたび楽しませた。
Works 作品
壁面アート《 light 》|調布市文化会館 たづくり エレベーターホール
町田は記憶のピースをひとつひとつ思い出しながら、絵の具をキャンバスに置いていく感覚で描いている。視覚的な記憶だけでなく、味覚・嗅覚の記憶まで連鎖的に思い出すことができる「食」についてを、絵画を通して鑑賞者と共有したいと町田は言う。本作は実際に調布市内で食事をし、その時の場面をひとつひとつ思い出しながら表現している。具象と抽象のぎりぎりのバランスと大らかな筆致で描かれた作品は「食」の持つ楽しさや豊かさ、幸せを実感させる魅力があり、エレベーターホールを訪れる来館者や職員に明るい幸福な時間をもたらしている。
事業主 | 公益財団法人調布市文化・コミュニティ振興財団 |
所在地 | 東京都調布市 |
アーティスト | 町田帆実 |
撮影 | ArtPlace Inc. |