企業の拠点である御茶ノ水の文化と歴史を取り込んだ作品と、ワークショップを通じて社員同士が協働制作した作品、2つのユニークなアートウォールが完成しました。
Task プロジェクトの課題
企業の歴史を振り返るヒストリーエリアやアーカイブエリアが展開されている4Fと、今秋にリニューアルを行った学校施設に関する商材を紹介するエリア(2F)の2フロアに、クライアントからアートウォールの要望を受けた。
本プロジェクトでは、2つのフロアそれぞれにテーマを設定した。4Fフロアでは、110年にわたり日本の椅子事業をリードしてきた企業の歴史と、社員同士の協働や個人の創造性をエンパワーメントさせることで、過去から未来につながり変化し続ける企業のありようを表現することが求められた。2Fフロアは学校施設に特化した商材を展示するショールームスペースであるため、教育施設が地域と密接なつながりをもつことが多いことから、地域性をテーマに展開することとなった。
Solution アートプレイスの提案
2Fフロアは、本社ビルがある御茶ノ水の地域性を取り込んでいくために、地域の代表的な建造物や、御茶ノ水のカルチャーである「音楽」「カレー」「スポーツ」などの文化や、ランドマークとなる神田川上の地下鉄の「陸橋」「めがね橋」などを作品に展開することで、御茶ノ水独自の地域性を表した。アーティストが描く空想都市の姿は来訪者や社員の想像力を刺激し、インスピレーションを与えるものとなった。活力あふれる学びの場らしく色鮮やかな作品構成をベースとして、歴史と文化が豊かな街・御茶ノ水を表現するアートウォールを展開した。
4Fフロアでは、110年続く企業のロゴをモチーフとし、有志の社員たちが参加したワークショップを行った。社員同士が互いに協力し合い、自社のロゴをいつもとは違う視点から捉え、図案に起こす体験により、普段抱いている会社のイメージから離れ、新たな視点から働く場を捉えなおす機会の創出を試みた。
社員が行きかう階段踊り場壁面には、原画をデジタル処理し、オフィスを移動する際に空間の一体感を感じられる演出をおこなった。
Works 作品
《IRODORI OCHANOMIZU 》 |2F廊下/階段踊り場/エレベーター前/階段踊り場(1-2F、2-3Fの2カ所)
御茶ノ水の地域性を取り入れた作品。教育、歴史、音楽、美術、食、スポーツなど、さまざまなカルチャーに溢れる彩り豊かな街をテーマに、実際の建物や文化をモチーフとし、
これらを組み合わせた『空想都市』を描いた。
《IRODORI OCHANOMIZU》
2024
ウォールシートアート
原画:H400×W1,400mm
アート展開サイズ:
2F廊下 H2,125×W2,340+H2,135×W4,435mm
エレベーター前 H2,045×W1,825mm
1-2F階段踊り場 H2,245×1,014 mm H2,245×1,035 mm
2-3F階段踊り場 H2,123×1,003 mm H2,135×1,013 mm
《Our Shapes》|4F廊下/エレベーター前/階段踊り場(3-4F、4-5Fの2カ所)
赤羽は「丸・三角・四角」をじゃんけんの「グー・チョキ・パー」になぞらえ、3つの形が揃えばあいこ 「誰も負けない、勝たない」というイメージに惹かれ、ワークショップを行なう。 丸・三角・四角は、コトブキシーティング株式会社のロゴにも使われている、社員に親しまれているモチーフ。 3つの形を言葉に見立てるなど、アーティストの設けたルールに沿って、ひとりで、または、グループで協力して丸・三角・四角がドローイングで描かれた。この多様な「対話のドローイング」はグリッド上に再構成・配置され、それぞれの個性が際立ち 有機的なリズムを醸し出す。ワークショップに参加した社員にとってはいつもとは異なるコミュニケーションの手法を通じて他者との違いに気づき、仲間をさらに理解する機会となった。
《Our Shapes》
2025
ウォールシートアート
原画:H400×W1,400mm
アート展開サイズ:
4F廊下 H2,125×W2,340+H2,135×W4,435mm
エレベーター前 H2,045×W1,825mm
3-4F階段踊り場 H2,245×1,014 mm H2,245×1,035 mm
4-5F階段踊り場 H2,123×1,003 mm H2,135×1,013 mm
事業主 | コトブキシーティング株式会社 |
所在地 | 東京都 |
アーティスト | こた, 赤羽美和 |
Art DIrection | ArtPlace Inc. |
撮影 | ArtPlace Inc.、木村雅章 (赤羽作品) |